子供がいない夫婦、相続人は誰になる?

子供のいない夫婦の相続

資産税課の片岡です。資産税にまつわる話を掲載します。
第3回となる今回は「子供がいない夫婦に相続が発生したら?」です。

夫が亡くなった場合

子供がいない夫婦の夫が亡くなった場合、通常、夫の親は先に亡くなっているので、相続人は「妻」と「夫の兄弟姉妹(先に亡くなっておればその子、即ち甥姪)」になります。法定相続分は、「妻3/4」「兄弟姉妹1/4」となっています。兄弟姉妹には遺留分(最低保証のようなもの)はないので、遺言で妻へ全財産相続させることは可能です。

遺言がない場合、妻は夫の兄弟姉妹との間で、遺産分割についての話し合いをしなければなりません。そのため、遺言を作成しておく方が良いと言われています。

夫の全財産を相続した妻が亡くなった場合

それでは、「夫が亡くなった場合」のケースで全財産を相続した妻が亡くなった場合は、どうなるでしょうか。

妻の相続人は、通常「妻の兄弟姉妹(先に亡くなっておればその子、即ち甥姪)」となります。夫の兄弟姉妹からすれば、夫の妻が相続するのは納得できますが、夫から相続した財産が妻の兄弟姉妹へ行ってしまうことに、納得し難いものがあります。そこで、先に述べた兄弟姉妹に遺留分がないことを踏まえて、妻が遺言で「夫の兄弟姉妹」又は「その子(甥姪)」に遺贈(相続人以外に財産を渡す)することが可能です。

また、夫の兄弟姉妹の子(甥姪)を夫婦で養子にしておけば、養子が相続人になるため、兄弟姉妹が相続人になることはありません。仮に夫の全財産を妻が相続しても、妻が亡くなった後は、養子(夫の兄弟姉妹の子)が相続することになり、妻の兄弟姉妹へ相続することはなくなります。なお、養子になっても実の親との親子関係も継続するので、実の親からの相続も可能です。

一方、養子をとるデメリットは、法定相続人から兄弟姉妹が外れ、相続税の基礎控除(相続財産から引いてくれる金額)が減ることです。

例:兄弟姉妹5名の場合

・養子をとる前  3,000万円 + 600万円×5名 = 6,000万円
・養子をとった後 3,000万円 + 600万円×1名 = 3,600万円

相続税額への影響を考慮の上、養子をとるかとらないかの判断が必要となります。

まとめ

  • 夫が亡くなった場合、生前に遺言を作成していれば、全財産を妻に相続させることが可能
  • 全財産を相続した妻が亡くなった場合「妻の兄弟姉妹(または子である甥・姪)」が相続人となる
  • 姪甥を子供養子に入れると相続人にすることができる(ややデメリットあり)

何も準備をしないうちに突然の病気・事故で亡くなってしまうと、どれだけ悔やんでも死人に口なし。相続について大切なご家族間で揉め事が起きて、「相続」が「争族」になりかねません。自分の死後に財産をどう動かすか、生前に親族とよく話し合っておく必要があります。

年末年始やお盆には、ご親族の集まる機会もあることでしょう。皆さんも是非、早いうちから相続についての備えを始めてみてください。

 

※2016年8月8日 内容の加筆修正を行いました。

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